遺伝子型によって薬の効果は異なる

ビタミン剤、栄養剤はどのように身体に作用するのか

 

ビタミン剤を飲むと、オシッコが黄色くなってニオイもきつくなります。市販の栄養ドリンクや風邪薬でも、似たような現象がおこります。

 

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これはビタミン剤や栄養剤は標的とする器官に作用すると同時に、その毒性を無害化するため、主に肝臓で代謝(分解)され、その後、最終的に尿、もしくは胆汁中に排泄されるからです。

薬に対しても、それと同じ働きをすべく肝臓は機能しています。薬は飲めば身体がよくなるように思われていますが、実際にはヒトの体内では「毒性を無害化」しているのです。

その肝臓での代謝には酵素が必要ですが、その酵素はなんでもよいのではなく、特定の薬物には特定の酵素というように、それぞれ1対1の対応となっています。
降圧剤も、誘眠剤も、ビタミン剤も、サプリメントの一部も、すべてひとつひとつ分解する酵素が違うのです。

 

遺伝子型によって毒性を無害化する酵素が異なる

 

ところが、それらの酵素の発現のしやすさは、人によって違います。そして、その違いは遺伝子の並びの違いにもとづくものなのです。

 

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たとえば、コーヒーやお茶などに含まれているカフェインですが、これを分解しにくい遺伝子を持っている方がいます。かような方がお茶を飲みますと、その日の夜眠れなくなってしまいます。

反対に、カフェインをあっという間に分解してしまう方もいます。こういう方は、お茶やコーヒーをいくら飲んでも、すぐに眠れるタイプです。風邪薬で有名なPL錠にはカフェインが入っていますが、遺伝子型によって薬効に個人差が出ます。

次に、ワルファリンという薬は抗血栓薬で、心筋梗塞や脳梗塞を発症させると、それ以降はほぼ一生の間、処方される薬です。
これを速やかに分解してしまう遺伝子を持っている方は、薬の効果が薄いことになります。

逆に、分解する力が弱い、もしくはまったく分解できない遺伝子である場合、薬の効力が長時間持続することになります。

このタイプの方は通常ワルファリン10ミリグラム/日のところ、2ミリグラム/日、もしくは毎日1錠のところ3日に1錠で十分なのです。
つまり、量が少なくても十分効果が得られ、かつ副作用が少ないというメリットを享受することができます。

 

遺伝子検査で自身にあった薬を選ぶ時代に

 

個人の遺伝子型にもとづく酵素の発現の仕方により、千差万別の薬効があることがわかった今、遺伝子別に薬物の投与量や種類を代える時代に、医療は確実に突入していきます。

当院では遺伝子検査により今回ご紹介したように、ご自身の遺伝子型を特定することができます。ご自身の健康を維持、そして病気になった場合でもいち早く回復するために遺伝子検査を受けてみてはいかがでしょうか。